第6回研究会のお知らせ

研究会延期のお知らせ


次回研究会の日程変更について、連絡させていただきます。

先日研究会メーリングリストおよびウェブ上でお知らせいたしましたように、第六回研究会の
開催を来週木曜日(3/12)に予定しておりましたが、報告者両名からの意向を受けまして、
開催を延期させていただくことになりました。

現在、月末の開催を軸に、報告者と調整をしております。つきましては改めて、日程を連
絡させていただく予定でおりますので、どうぞよろしくお願いいたします。

すでに来週の参加を予定していただいたみなさまにはご迷惑をおかけ致しますが、何卒事
情をご理解いただき、延期日程でのご参加の検討をよろしくお願い申し上げます。




次回の時空藝術研究会は3月12日木曜日19:30から行いますので、ご案内申し上げます。トーク(研究報告)を予定しています。


●報告予定者

・笹島秀晃さん
東北大学大学院文学研究科社会学専攻博士課程(日本学術振興会特別研究員)
「博士論文構想発表」

・高井康充さん
早稲田大学人間科学部(今春より、多摩美術大学大学院に進学予定)
卒業論文発表「Open to Possibility ~リレーショナル・アートによって開かれた可能性」


詳細はおってご連絡いたします。なお今月の第5回研究会で配ったヒルシュホルン・エンヴェゾーのインタビューなどは、第6回以降の読書会の回で取り上げます。テクストをお持ちでない方は次回も配布致しますので当日お持ち帰りください。
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# by thearts | 2009-02-27 10:54

第6回時空研のお知らせ

次回の第6回時空研については、会場・日程を調整中です。研究発表を中心に、3月中旬開催を予定しています。近日中にこちらのHP、および当研究会メーリングリストにてお知らせいたします。

なお次回読書会については、下記の二つのインタビュー文章を読みながら議論する予定です。

これらの文章は、チャールズ・メアウェザー(Charles Mereweather)編集の、Documents of Contemporary Art: The Archiveに掲載されているものです(右記ライフログ参照)。

1、Thomas Hirschhorn interview Okwui Enwezor
ヒルシュホルン(Anthony Hirschhorn)は1957年スイス生まれでパリを本拠地にしながら活動するアーティストです。また、オクウィ・エンヴェゾー(Okwui Enwezor)は1963年ナイジェリア生まれのキュレーターで、サンフランシスコ・アート・インスティチュートで教鞭もとっています。

2、Neil Cummings and Lewandowska, From Enthusiasm to the Creative Commons. Interview with Anthony Spira
ニール・カミングス(Neil Cummings)はロンドン芸術大学チェルシー・カレッジ教授、マリシャ・ルワンドウスカ(Lewandowska)はコンストファク(スウェーデン国立芸術デザイン大学)教授です。また、アンソニー・スピラ(Anthony Spira)は、ロンドンのホワイトチャペルギャラリー等を中心に活動している30代の若手キュレーターです(プロフィールはこちら)。


(2は上記テクスト名クリックで、リンク先の記事を読むことができます。)
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# by thearts | 2009-02-20 16:45

第5回研究会終了

第5回研究会が2009年2月19日に終了いたしました。

Hal Fosterの論考“(Dis)Engaged Art”の第2章、第3章を読み合わせました。
また、Jeroen Boomgaardの“Talk to the hand”を読み合わせました。


“Hal Foster, (Dis)Engaged Art”の要約

 近年、リクリット・ティラヴァーニャや、トマス・ヒルシュホルンらに代表される、贈与的あるいは共同的な作業によって特徴付けられた「リレーショナル・アート」が隆盛している。それらはニコラ・ブリオーが言うように、マス・カルチャーや資本主義への抵抗といった側面が見られる一方で、他者との共同性や議論性といった部分に関心を置き過ぎることにより、クレア・ビショップが指摘するように民主主義の前提とも言える対話性のなかの矛盾や、外側にあるものに対する意識を低下させてしまう危険性がある、と著者ハル・フォスターは指摘する。

 但し、それらのなかに見られる「アーカイブ的」な側面には重要な考察の余地が含まれているだろう、とフォスターは言う。「アーカイブ的」な作業とは、近代(現代)化の歴史のなかで隠され、消されていったような場面、あるいは、特定の事象と無関係と思われているような事象のあいだの繋がりの点である「盲点(Blind Spot)」を、新たに照射していくような作業であり、歴史・時間性を超えて事象をつなげていく作業のことである。そのことをフォスターは、ヨアキム・コースターの一連の写真、映像による制作を用いながら説明していく。

フォスターの議論は、ポストモダニズム的な観点からの歴史の複線化としてのアーカイブの機能だけでなく、コースターの例に見られるように、過去の時間性の再編・接続の可能性をも視野に入れていることに注目すべきだろう。


“Jeroen Boomgaard, Talk To the Hand”の要約と論点の提示

 『公共空間における芸術と、「闘技的」実践の必要性』

 新自由主義(ネオリベラリズム)の台頭という政治的背景を考慮に入れながら、「コミュニティ貢献型」芸術の「合意性」重視姿勢を批判した論考。

 文化的差異を埋めるために、「合意」形成を図る手法を取ることは粗隠しに過ぎない、とブームハルトは述べる。90年代から顕著に進む、旧来の合意型社会から新自由主義社会への移行の過程と、そのなかで進展してきた私的利益に基づく「交渉」(negotiation)の利益闘争。その「実は誰しもの声が聞かれていない、だが誰しもが参加しなくてはならない」システムと、参加者の合意性に依拠した「コミュニティ貢献型」の制作とは、実のところ同質の傾向を持っているのだ。ブームハルトはそのことを、現在の「挙手のジェスチャー」に対する意味づけが、かつての意味から反転し、「聞くことの拒絶」を意味するようになった例を挙げながら問題視する。

 さらに、新自由主義の個人性が生む文化的間隙に対抗する、しかし「合意」性に依拠しない、公共空間における芸術のあり方の新たな可能性をシャンタル・ムフが提唱する「闘技的」実践(agonistic approach)のなかに見出す。ムフが主張するように、民主主義的な公共空間の異種混交性(heterogeneous)を保つためには、絶えず文化的差異を持つ他者とヘゲモニーを争うことが重要であり、そのためには芸術作品も「みずから声を発すること」が重要性を持つ、とブームハルトは主張するのだ。

 一見、作品の「自律性」の主張の再興のようにも思えるが、ブームハルトの論点の中心は、新自由主義的な「見せかけの合意性」を回避しながら、いかにして公共空間における芸術の多様性を保つのか、というところにある。そのための対処法、参照点として、多元主義的民主主義を実現するためにムフが重要視してきた「闘技的」公共空間を持ち出す点は興味深い。

 しかしながら、ムフが指摘するように、多元主義的民主主義を実現するためには、すべての敵対関係が政治的に回収されること 、つまりプレイヤーが同じ「闘技」場の上に乗ることが不可欠であることを踏まえると、「アート」という西洋近代史観的な価値観に基づく表現の一領域が、あらゆる表現を飲み込み、全体性を獲得すること自体が、搾取的なまなざしを常にはらむ危険性があることへの配慮が不十分なのではないか、という点で不満が募る。また、「自律性」の主張ではないとはいえ、個人や作品が独立的性格を持つものとして捉えられていることは否めず、それらの中に内在する複雑性(多様性)や非独立性・一個性の連なり(例えば、ポストプロダクション(Postproduction)など時間性・一個性を再編した作品[群])に対する考慮が不足する点も残念である。


今回のディスカッションの中では、ムフの言う「闘技」する公共空間におけるヘゲモニー闘争を、運動体として考えることの重要性についての意見が出ました。

また、オランダと日本における、「新自由主義とアート」の関係性の違いについて考える議論も出ました。その中では、オランダが「美術館=公共空間」というところが一度確立したあとに、(再)転回して新自由主義に迎合するような「安全な場所」へと至ったのに対して、日本では「美術館=公共空間」という場面を経ずして新自由主義との衝突を迎えているのではないか、とする意見も出ました。


※ 今回の参加者は、井上文雄(CAMP/MOT)、遠藤水城(ARCUSディレクター)、蔭山忠臣(油画、B1)、毛原大樹(「コジマラジオ」、油画B4)、小泉元宏(当会主宰者、D1)、長谷川仁美(MIACAディレクター)、山口礼子(音楽環境創造、B1)[敬称略]でした。

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# by thearts | 2009-02-20 15:54

第5回研究会開催のお知らせ


時空研の第5回は、2月19日木曜日開催です。

"Right About Now: Art and Theory Since the 1990s"(右記、ライフログ参照)の中から、Hal Foster"(Dis)Engaged Art"(part2"Archival Spaces," part3"Blind Spot")を読みます。

また、Jeroen Boomgaard, "Talk to the Hand"も参考資料として使いながら、ディスカッションに入ります。Boomgaardは、アムステルダム大学教授(Art and Public Space, Rietveld Academy)で、以下のようなプロフィールを持つ研究者です。

参考URLはこちら

Jeroen Boomgaard

has been teaching Art History of the Modern Era at the Universiteit van Amsterdam since 1983. He obtained his PhD with honours in 1995 with a thesis titeld 'The Prodigal Son; Rembrandt and Dutch art historiography'. He is working as Professor for the Researchgroup Art & Public Space at the Gerrit Rietveld Academie in Amsterdam since January 2003, and fulfils a position in the Faculty of Building and Architecture at the Technische Universiteit Eindhoven.
He regularly publishes articles about avant-garde issues and art and public space in Dutch and foreign magazines. Recent publications include:

‘A year in the wild’, a compilation of articles on art in public areas, Gerrit Rietveld Academie/ Universiteit van Amsterdam, 2004
‘De Magnetische Tijd. Videokunst in Nederland 1970-1985’, jointly edited with Bart Rutten, Rotterdam 2003.
‘Als de kunst erom vraagt’. De Sonsbeek exhibities van 1971, 1986 en 1993’, jointly edited with Marga van Mechelen and Miriam van Rijsingen, Arnhem 2001.


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第5回研究会開催のお知らせ

日時: 2009年2月19日(木) 19:30-22:00 (19:25大学前集合)

場所: 東京藝術大学(千住キャンパス)2F 第一ゼミ室

参加費: 無料

参加ご希望の方は、小泉xux0xux☆hotmail.comまでご連絡ください(☆を@に変えてください)。
※当日は17時以降、IDカードがないと大学内に入れませんので事前にご連絡が必要です。

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# by thearts | 2009-02-04 16:41

第4回研究会終了

第4回研究会が1月19日に終了いたしました。

Hal Fosterの論考“(Dis)Engaged Art”の第一章を読み合わせました。


(第一章の要約)
近年、ティラヴァーニャやヒルシュホルンらに代表される、贈与的、あるいは協働的な作業によって特徴付けられる「リレーショナル・アート」が隆盛している。それらはニコラ・ブリオーが言うように、マスカルチャーや資本主義への抵抗というような意識が見出せる一方で、他者との共同制作や議論性といった部分に関心を置きすぎることで、クレア・ビショップが指摘するように民主主義の前提とも言える対話性のなかの矛盾や、ある共同体の外側にあるものに対する意識を低下させてしまう危険性がある。・・・


全体としては、第2,3回(ティラヴァーニャ、ビショップら)の議論のまとめに当たるような内容でした。

次回は、続いて第二、第三章を読む予定です。
※第三章はOctober誌掲載のテクストを一部補筆して採られたものです。


なお、今回のディスカッションのなかでは、

「Relational Art」や、協働的な手法を取るアートの陥りやすい問題について、フォスターの指摘を確認しながら議論が行われたほか、フォスターがその意義を評価する「Archival Art(アーカイヴ的なアート)」という手法の(不)可能性などについても意見が交わされました。

次回は、さらに具体的な事例を中心とした内容(ヨアキム・コースターの実例など)になっており、ポストモダニスト的な歴史の「正当性」が議論の中心の一つとなっています。


次回は2月中旬に開催予定です。詳細が決まり次第、ご連絡いたします(小泉)。



※ 今回の参加者は、井上文雄(CAMP/MOT)、遠藤水城(ARCUSディレクター)、小泉元宏(D1)、笹島秀晃(東北大院)、住中浩史(アーティスト)、長津結一郎(M1)、長谷川仁美(MIACA)、水内貴英(アーティスト)、三宅航太郎(アーティスト)、山口礼子(B1)[敬称略]でした。

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# by thearts | 2009-01-30 01:03